「辛抱強く」
たき子の 手にかけていた 糸が、
もつれて からまりました。
糸を ほどこうとして、あせれば あせるほど、
糸は ますます からまっていきました。
たき子は 泣き出しそうになって、
お母さんに こう言いました。
「この もつれたところを 切りましょうか」
すると、お母さんは、
「しんぼうして ほどいていけば、ほどけないことは ありません」
とおっしゃいました。
たき子が、おちついて ほどいていくと、
とうとう もつれていた糸は ほどけたのです。
(昭和十年 二年生 十二「辛抱強く」)
── 『日本人の美徳を育てた「修身」の教科書』
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