多忙。
ここ十数年、年末年始の正月休みというものがない。
仕事納めも、仕事始めもない。
疲労困憊。
人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。不幸なものだ。なぜなら、死んでなくなつてしまふのだから。自分一人だけがさうなんだから。銘々がさういふ自分を背負つてゐるのだから、これはもう、人間同志の関係に幸福などありやしない。それでも、とにかく、生きるほかに手はない。生きる以上は、悪くより、良く生きなければならぬ。
教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
- 作者: 坂口安吾,川村湊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/10
- メディア: 文庫
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