NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

「ほどほどの悪」の自覚がある人が信用できる

曾野綾子さんの『自分をまげない勇気と信念のことば』より。

 私は適当に少し悪いこともやる人が好きだ。悪いことの量は少ない方がいいに決まっているが、少し悪いことをしたという自覚のある人の方が、自然で、温かくて、人間的にふくよかなような気がする。私は決して悪いことはしません、と宣言できるような厳密な人はおっかなくて、どういう態度で接したらいいのか見当がつかない。
 こんぶと鰹節で出汁を取ったうえで、ちょっとコナを使う。いい味だなあ、あの人はいい奥さんをもらったなあ、思うのである。

── 曾野綾子(『自分の顔、相手の顔』)


自分をまげない勇気と信念のことば (WAC BUNKO)

自分をまげない勇気と信念のことば (WAC BUNKO)




翁にも曰く、

 大きな声では言えないが、私は袖の下またはワイロに近いものは必要だと思っている。世間の潤滑油だと思っている。人は潔白であることを余儀なくされると意地悪になる。また正義漢になる。

── 山本夏彦(『何用あって月世界へ』)