一日一言
十月二十日 世の中の不思議
今日は恵比須講といって、商売繁盛を祝う日である。何事も栄え繁盛するには、自分自身の努力であるというのは、安政三年(西暦一八五六年)の今日亡くなった二宮尊徳の教えである。
杣(そま)が深山に入って木を伐るのは、木材が好きにて伐るにあらず。炭焼が炭を焼くのも、炭が好きにて焼くにあらず。夫れ杣も炭焼も、其の職業をさへ勉強すれば、白米も自然と山に登り、海の魚も里の野菜も、酒も油も皆自ら山に登るなり。奇々妙々の世の中なり。
〈二宮尊徳〉
- 作者: 新渡戸稲造,岬龍一郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/10/29
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