『小室直樹の学問と思想』

nakamoto_h2011-04-18

復刊ドットコムより、復刻版『小室直樹の学問と思想』着。
九州に置いて来てしまったオリジナル版が心残りだったのでリクエスト。

ソ連全盛の頃、崩壊を10年以上も前に予言した稀代の天才。
読み返さなくっちゃ。

作者: 橋爪大三郎,副島隆彦
出版社/メーカー: 弓立社
発売日: 1992/06
メディア: 単行本
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　小室直樹博士の存在とその業績を、ひとりでも多くの日本国民に知らせたい。知ってもらいたい。その思いでおよそ二〇年前、この書物を世に送り出した。
　小室博士が亡くなったいま、その思いはなお、強まるばかりだ。
　二〇年前、日本は驕慢の頂点にいた。激流のなかの世界と日本の直面する危機に、警告を発する小室博士の言葉はかき消されがちだった。失われた一〇年、漂流するもう一〇年をへて、日本人はやっと社会法則の恐ろしさがわかってきた。謙虚に、小室博士の言葉に耳を傾ける準備ができたのではないか。
　小室直樹博士の業績とその真価を、すべての日本国民に、いや、世界の人びとに知らせたい。理解させたい。いま本書の、復刻版をあらためて世に送り出す、著者二人の心底からの願いである。

──　橋爪大三郎

　小室先生が望んだのは、思考に系統性を持つ世界基準（ワールド・ヴァリユーズ）の知識である。立体的に造形的に思考することであり、世界と渡り合える知識人を育てることだった。これからアメリカが衰退するのに乗じて、日本はできる限り自立、独立すべきだ。それには、アジア諸国と戦争せず、戦争を煽動する愚かな考えに騙されず、アジア人どうし戦わず、平和に交渉し、大人の態度で、本気で対等で、ものおじせず交渉することだ。なにごとにも騙されない、操られない、洗脳されない、そういう国民の自覚、自立が大切である。

──　副島隆彦