2009-08-27 一日一言 八月二十七日 愛敬 貝原益軒(江戸前期の儒学者であり教育者)は、正徳四年(西暦一七一四年)の今日、八十五歳で亡くなった。彼が人を思いやる心を説いた本にこう書いてる。 自分の親しい人を愛し、貴い人を敬うことは当然であるが、知らない人やいやしい乞食であっても、みなこの世に生を受けた人であるから、それぞれの立場を考えて、慈しまなければならない。決して悪く見たり、あなどってはならない。親交の度合い、身分の違いで、その慈しむ差はあろうが、思いやりの心をなくしてはならない。 ── 新渡戸稲造『一日一言』