NAKAMOTO PERSONAL

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胎内仏

「仏像の中に仏像、CTスキャンの立体画像で初めて確認」(朝日新聞)
 → http://www.asahi.com/culture/update/0725/OSK200807250078.html

 福井県の古寺に伝わる江戸時代の木造十一面観音像(高さ59センチ)の内部に、鎌倉時代制作とみられる銅製仏像の頭部(高さ9.4センチ)が納められていることが、九州国立博物館(福岡県太宰府市)のCTスキャン調査でわかった。像の修理にあたった元興寺文化財研究所(元文研、奈良市)が25日、発表した。火災で焼け残った頭部を、新たに造立した観音像内に安置したらしい。

 観音像は福井県坂井市大善寺(山田豊潤住職)の本尊。本尊を納める厨子(ずし)の修理にあわせ、元文研がX線撮影したところ、胎内仏らしい影を確認。文化財の非破壊検査用では全国最大のCT装置を持つ九州国立博物館に協力を求めた。900枚の断層写真をコンピューター処理し、胎内仏を取り出さずに全国で初めて立体画像を撮影。複製品も完成させた。

 大きさや造形は外側の観音像の頭部より一回り小さい。寺の歴史を記した「縁起」(18世紀)には「本堂の火災現場から金銅仏の頭部が見つかった」と記述されている。頭部の各面の変化は現本尊と同じで、表面には銅特有の熱によるひずみがあり、耳などが溶けていた。このため、火災に遭った銅製の十一面観音像の頭部を、再興した木製観音像の中に納め供養してきたとみられる。


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