NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

俗なるまま小なるまま

「銃による死者、半数以上が自殺と CDC調査」(CNN.co.jp)
 → http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200807010025.html

ジョージア州アトランタ(AP) 米国で2005年、銃による死者のうち55%と半数以上が自殺だったことが、米疾病対策センター(CDC)の調査で判明した。米連邦最高裁は6月末に、首都ワシントンの拳銃所持規制法は合衆国憲法修正第2条に違反するとの判断を下したが、専門家は自宅に拳銃があることで、自殺や自宅内における殺人事件が増加する恐れがあると指摘している。

CDCによると、2005年に銃関連で死亡した約3万1000人のうち、自殺が55%を占めた。殺人は40%で、事故が3%。残る2%には、警官が正当な事由により発砲したケースや、理由がわからないものなどが含まれている。

自殺が半数以上を占める傾向は、CDCによれば05年に限ったことではなく、過去25年間のうち、20年に見られるという。

また、自殺の成功率は、銃で90%を超えるが、飛び降りでは34%、薬物の過剰摂取が2%で、銃による方法が飛び抜けて高いと指摘。さらに銃がある世帯では、ない世帯に比べて自殺の発生率が3─5倍、高かった。

このほか、銃所持が規制された地域では自殺率も殺人事件率も下がった調査報告もあることから、銃を自宅内に保管することにより、銃を使った自殺や住宅内における殺人事件が増加する恐れがあると懸念している。

一方、フロリダ州立大学犯罪・刑事司法学部の研究者、ゲイリー・クレック氏は、年間にして100万件以上、犯罪や暴行を防ぐために銃が使われていると推測、CDCなどの調査に疑問を呈している。

また、クレック氏は公共機関などの調査は電話によるものが多く、結果が過大評価されることが多いと述べている。

ジョンズ・ホプキンス大学銃政策研究センターのジョン・バーニック氏は、連邦最高裁の判断には銃規制が撤廃された後の自殺率や犯罪率について継続的に調査する必要があると強調している、と指摘。銃規制がなくなった後、これらの数字がどう変化するのか、慎重に見守る重要性について言及している。

「俗なる人は俗に、小なる人は小に、俗なるまま小なるままの各々の悲願を、まっとうに生きる姿がなつかしい。」

―― 安吾(『日本文化私観』)