NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

2015年

「【科学】届け宇宙人への電子メール 25年前に送信、7年後にも返信来る!? 」(産経新聞)
 → http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080512/acd0805120804006-n1.htm

 25年前、宇宙人あてのメッセージを電波で送った日本の天文学者がいる。太陽系や人類の存在を伝えたその“電子メール”は、すでに目的の星に到着しており、知的生命がいれば解読に成功している可能性がある。早ければ2015年に、地球に返事が届くかもしれない−。宇宙人との「メール交換」は果たして実現するだろうか。

 宇宙人にメッセージを送ったのは、東大東京天文台(現国立天文台)の助手だった平林久さん(64)と同教授だった森本雅樹さん(75)。出版社から「子供たちに夢を与える企画」を依頼されたのがきっかけだ。1983(昭和58)年8月、旧暦の七夕に合わせて、「彦星」として知られる恒星「アルタイル」に米国から電波信号を送った。

 信号を解読すると、13枚の画像が現れる。平林さんが描いたこの原画は長く所在不明になっていたが、昨年秋、森本さんが顧問を務める兵庫県立西はりま天文台で見つかった。

 画像は自然数や元素、太陽系の特徴やDNAの仕組みなどを紹介。差出人が「太陽系第三惑星」の人類であることが示されている。また、原始生物からほ乳類に至る生命の進化史も記した学術的な内容だ。

 しかし最後は、なぜかエタノール分子式と「乾盃(かんぱい)」の文字。お互いの出会いを祝福する“暗号”だ。平林さんは「水割りを飲みながら思いついた。ここだけは宇宙人も、理解できないでしょうね」と笑う。遊び心もたっぷりだ。

 地球からアルタイルまでの距離は約16光年。メッセージを乗せた電波信号は99年に到着している。知的生命体が住む惑星が存在し、すぐに返事を送ったとすると、2015年に地球へ届くことになる。

 新しい世界を探るとき、科学者はそこに何があってもおかしくないと考える。見つかるものが初めからわかっているなら、わざわざ出かけてゆくことはない。これから人類が火星をはじめ近隣の魅力的な世界へ向かえば、思いもよらぬものに──神話的と言えるものにさえ──出会うかもしれない。

―― カール・セーガン『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』