『春の雪』
三島続き。
「三島由紀夫:『春の雪』題名の由来?資料発見」(毎日新聞)
→ http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071127k0000m040062000c.html
作家、三島由紀夫(1925〜70年)の最後の小説「豊饒の海」4部作のうち、第1部「春の雪」(69年刊行)の題名の由来とみられる資料が、山梨県甲州市の笛吹川芸術文庫で見つかった。12月5日から東京都豊島区立舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」で初公開される。
この資料は、学習院高等科1年(41年)時の教科書に挟まっていたメモ。半紙に「梁塵秘抄口伝集」の歌謡の一つが「(前略)松がえかざしにさしつれば/はるのゆきこそふりかゝれ」と鉛筆書きされていた。
資料を調べた島内景二・電気通信大教授によると、「松がえ」は正しくは「梅が枝」だという。だが、三島は雑誌「文芸文化」43年1月号の評論でも「松がえ」の表記で引用し、好きな歌だと書いている。島内教授は「雑誌の誤植かと思っていたが、そうではなかった。自分の美意識に従って変容した文章で記憶したのでは。『春の雪』の主人公の名字が『松枝』であることを考えると、メモの古典歌謡が『春の雪』につながったのかもしれない。『豊饒の海』のテーマはこのころ芽生えていたのではないか」と指摘する。
この他、学習院初等科時代に初めて作ったとされる手書きの冊子や、生前最後の展覧会のためにしたためた書など、4種類の資料も公開。三島文学の源流と終点を示す展示となる。12月16日まで(午前10時〜正午)。入場無料。問い合わせは「あうるすぽっと」(03・5391・0751)。
「『豊饒の海』主題と主人公、三島由紀夫のメモ発見」(読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20071126i516.htm
- 作者: 三島由紀夫
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