NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

「透明な歳月の光 131」

曽野綾子さんの『透明な歳月の光131』
いつにも増して辛口。


『台風 教育のチャンス 利用を』→ http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2004596/20045961.html

 台風の被害が大きい時ほど、黙っている人たちがいる。それは「ダムは要らない。川は自然の姿を保て」と言い続けた人たちである。
 ダム、堤防、山の植林、などというものは、治水の基本であり、治水はいつの時代でも国家経営の条件だ。それを否定した人は、どういう責任を取るつもりなのか。

 学校その他に避難した人たちは、ラベルのついた新しい毛布を支給されていた。一晩のことに何でそんなに甘やかさねばならないか私はわからない。避難したら新聞紙を床に敷いて、何枚も重ね着をして眠って当たり前だ。それがいやなら、早めに毛布や蒲団(ふとん)を背負って避難するだけの個人の才覚の訓練が要る。
 お弁当なども行政は配る必要はない。天気予報を聞くことができるシステムがあるのだから、自分で歩けない老人や障害者は別として、避難する時、食料は自分で持って来るのが世界の当然だ。台風は教育のチャンスでもあるのに、それを少しも利用していない。


アフリカ諸国の現状を知る曽野綾子さんだからこその発言です。