六月の夜。 タルホ。 或る昼休みの教室の黒板に、I は「六月の夜の都会の空」という九字を走り書きして、直ちに消してしまった。「いや何でもありやしない」と彼は甲高い声で江美留に云った。「―でも、ちょっといい感じがしやしないかい?」 なるほど! 六…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。