今思へば、全く、己(おれ)は、己の有(も)つてゐた僅かばかりの才能を空費して了(しま)つた訳だ。人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないと…
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