NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

行動することが生きることである

 自分の貧乏なぞに気にしないで、とにかく生きていくチャンスを探しに、一歩前進する、構わず歩き出して見る。
 そういうのが好きです。

── 宇野千代『行動することが生きることである』


平成8年(1996)の今日は、宇野千代さんの命日です。


『行動することが生きることである』より厳選25言。
名言の宝庫です。

  • 人間の考えることは、その人の行動によって引き出されることが多い。
  • 自分から進んでその中に這入っていくことによって、私は傷つかないことを覚えた。
  • 何事をするにも、それをするのが好き、と言う振りをすることである。それは、単なるものまねでもいい。すると、この世の中に、嫌いなことも、また嫌いな人もいなくなる。
  • 悪口を言わない、ということは、そう難しいことではない。悪口を言うと、気持ちが悪い。私はただ、気持ちの悪いことはしないだけなのだ。
  • 恋とか愛情とか言うものは、そこにないものを見る心の作用のことなのだ。
  • 人はその人自身の思っているほど、自分の嫌いな、自分に不似合いな行き方はしないものである。
  • 人には信じられないことだけれど、言って見れば、私は、何か困ることがあって、それを少しずつ直して行くのが好きである。
  • 人間というものは、一旦覚悟を決めたとなると、どんなことでも出来るものです。
  • どん詰まりの状態になったときに、私ならどうするのか、と言うことをお話しましょうか。 私なら、自分が最後に下した判断を、絶対に信じる、と言うことです。
  • 人間は自分の可厭(いや)なことは決してしないものだ。
  • 人間は、ちょうど自分の見ようとするもの、自分の聞こうとするもののほかは、理解しないものだ。
  • 人間は自分の作った観念に支配されるのが好きだ。
  • 人と言うものは面白いもので、自分の思っていることを人に話したりするたびに、どうしてもこのことを実行したい、と切実に思うよになる。
  • 人はその持っている能力によって失敗する。
  • おかしなことですが、自信のない人間は、褒められた事柄に対しても、また新しい不安を持つものであり得ると言うことです。
  • 人間は誰でも、自分が平静であると言う状態を装って、それで生きて行く。
  • 人間というものは、他愛もないことであればあるほど、腹を立て、それを止めないことがある。
  • しかし、一ぺん人に笑われたら、あとは笑われた者の得だ。
  • やりきれない状態と言うものは、その当人がやりきれないと思う分量が多ければ多いほど、やりきれない形になる。平気でいれば或る程度、平気になれるものである。
  • 人間と言う動物は、何事にも飽きるものである、と言うことをお忘れなく。
  • 真の友だちに対しては残酷になりたい、と私はそんなことを思ったのでした。
  • 未練の感情くらい、人を愚かに、そして弱々しくさせるものはない。
  • 人は、自分の好きなことをするためにする少しばかりの苦労は、心にかけぬものである。
  • どんなことでも一生懸命でやっていると、とても面白くなるものです。
  • 自分の貧乏なぞに気にしないで、とにかく生きていくチャンスを探しに、一歩前進する、構わず歩き出して見る。そういうのが好きです。

宇野千代の札幌時代を歩く』 http://www.tokyo-kurenaidan.com/uno-chiyo1.htm#unochiyo3
淡墨桜と根尾谷断層』 http://sakura5.net/neo/


十数年も前に立ち寄った岩国、錦帯橋

『2005年08月16日(Tue) 「15日目」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20050816
『2005年08月02日(Tue) 「旅に出ます」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20050802

 お国はどちらです?と訊かれると、「岩国です、あの錦帯橋の」と答えるのが私の癖である。いつ帰ってみても錦川の水は澄んでいる。魚がおよいでいるのがよく見える。春夏秋冬の錦帯橋は、それぞれに美しいが、桜のころの錦帯橋は、特に大好きである。この錦帯橋をわたるたびに、私は何ともいえない幸福な気持ちになる。いくら自慢しても自慢しきれないほどの気持ちになるのである。

── 宇野千代

薄墨の桜 (集英社文庫)

薄墨の桜 (集英社文庫)

一日一言「断じて行えば鬼神も避く」

六月九日 断じて行えば鬼神も避く


 今日は曇っている、今日は雨が降ると不平を言っても、空は晴れない。雨が降ったら、傘一本で自分の行動は決まる。くよくよと嘆いて自分の望みがかなうのなら、人生など寝ぼけている奴がみる現(うつつ)みたいなものだろう。物事を起こすときは、断行することである。断じて行えば鬼神もこれを避けるものである。


  為せば成りなさねばならぬものなるを
      成らぬといふは為さぬなりけり

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


赤猫にも曰く、

 雨はまだ、降っているけれど。歩き出さなきゃ。 空が晴れるまで、待っているわけにはいけないくて。だからね、歩きださなきゃ。 少しずつ。

── 赤猫 リブ❁リビィ ‏(『赤猫リブ・リビィの“強くなれる賢者の言葉”』

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

一日一言「無欲の幼心」

六月八日 無欲の幼心


 いつも欲のない幼心になりたいものである。富める者をうらやましいと思うこともなく、人を憎まない優しいあかんぼうの心に戻ったなら、世の中のわずらわしさも感じずに、やすやすと毎日を過ごすことができる。路上で知らぬ人に逢っても嬉しく、夜、床についてもうなされる心配もない。


  寝し夢もさめし現(うつつ)も幼児の
      母に添寝のふところの中


  おのづから我を離れてみどり子に
      なりて教にまかせ皆人

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


そんな時の良寛さん。

花は無心にして蝶を招き、

蝶は無心にして花を尋ねる

花開く時 蝶来たり

蝶来る時 花開く

吾もまた人を知らず

人もまた吾を知らず

知らずして帝則に従う

── 良寛禅師

風の良寛 (文春文庫)

風の良寛 (文春文庫)

世はいかさま

president.jp


翁に曰く、

 世はいかさまというのはこの世はいかさまから成っているということで、商才とか企画とか言えば聞こえはいいが、なにいかさまのことである。いかさまの才がなければ社員は出世できないし、またその社はつぶれる。

── 山本夏彦『何用あって月世界へ』

世はいかさま―夏彦の写真コラム

世はいかさま―夏彦の写真コラム

一日一言「『環境』は人の力でつくる」

六月五日 「環境」は人の力でつくる


 心の奥には、周囲の関係を一変させる力がある。自分の身を清めるのにわざわざ山に入ることはない。人を取り巻く環境は人の力でつくるものである。


  奥山に結ばずとても柴の庵
      心がらにて世はいとふべし

  必ずや心のすめばすむ庵(いほ)を
      深山の奥を求めずもがな

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


赤猫にも曰く、

 ちがうのよ。新しい場所で新しいことをするだけが素敵なことではないの。 今いる場所で今できることをするのも素敵なことなのよ。 むしろそれができない人間が新しい場所に行ったって何もできないわよ。

── 赤猫 リブ❁リビィ ‏(『赤猫リブ・リビィの“強くなれる賢者の言葉”』

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場所で咲きなさい